MENU

芸大で絵を描いていた私が、スタートアップの“世界観”を描くようになるまで

こんにちは。ノースサイン合同会社 代表の北條(菜津子)です。
この記事では、私が芸大で「絵を描く」ことから「企業の世界観を描く」仕事へと移っていった経緯、そして今の仕事の原点となった価値観や経験についてお話ししたいと思います。

芸大で学んだのは、「意味を問う力」だった

私の子供時代は絵を描くのとデザインが好きで、漫画やイラストを描いたり、父のサポートの元ホームページを作ったりもしていました。10代の頃からデザインソフトに触れ、漫画家を目指していた時期もありました。

その後東京藝術大学の油画専攻に進むことになるのですが、そこで学んだのは、絵の上手さではありません。


ファインアートを専門的に学ぶと、美術史をまず徹底的に学び、なぜこの時代にこの表現をするのか?という問いに対して、自分なりの解釈・答えを出していくようなイメージで作品を発表するようにと学びます。同級生の絵と並べられ、自分の作品は他と何が違うのかをプレゼンすることになります。

一見アート界はすごく自己表現の世界に見えますが、完全な自己満足の表現では評価されない、という世界です。そこで問われるのは常に、「なぜそれを描くのか」という意味を問うことでした。

入試や課題では、与えられたモチーフの「本質」をどう捉えるかが評価の鍵の一つです。「他と違う、目立つ」こともポイントになります。こうした制作のプロセスを通じて学んだのは、「ものをつくる前に、意味を見抜くこと」こそが表現の本質ということです。この思考の習慣は、今の私のデザイン活動の根幹にもなっています。

例えば、モチーフを与えられて描く課題では、ただ写すのではなく、そのモチーフでしかできない“反応”を見せることが大切。「正しい描き方」ではなく、「なぜこの見方を選ぶのか」を問われているのです。例えばりんごがモチーフとして出題された時は、りんごにしかできない反応が求められます。

大学に入ってからも、作品制作のテーマは社会や時代性への観察でした。人間が無意識に信じている「常識」や「文化」を皮肉ったり、俯瞰してみるような作品が多かったように思います。

『未来のドレス』 北條 菜津子(F20 キャンバスにアクリル)芸大入試再現


人々が当たり前に信じている文化や価値観を一度疑ってみる。


——今思えば、それはまさに物事を客観視する訓練だったのだと思います。

この問いを繰り返す中で、観察力と構造的思考が自然と鍛えられていきました。

デザイナー時代に鍛えた課題解決力

学生時代、制作の傍らデザインの仕事を始め、大学を卒業してから、Webの制作会社に進みました。
新卒の頃は大手企業のとにかくハードワークで、日付が変わる頃までよく働いたものです。そのおかげで仕事のスピードがかなり速くなりました。

デザインとは見た目のデザインではなく、課題解決です。デザイン思考とは、「デザイン思考」で基盤になるのはユーザーニーズであり、すでにある製品やサービスをさらに進化させる場合に有効な考え方となっています。

後から分かったことですが、スタートアップや新規事業で「ゼロイチ」を生み出す思考は、アーティストが自由に発想するのに近いプロセスなのだということです。

スタートアップとの出会いとブランディング


2014年に独立してからはいくつものスタートアップとの出会いがあり、初期メンバーやCDO・取締役などの立場を経験し、役割は自然と企業ブランディングのサポートをすることになりました。

現在はノースサイン社のクライアントも、多くはスタートアップのお客様です。特に、ディープテック、IT、医療、教育など。一見デザインとは縁遠い業種の方が多いです。

ブランディングもまた、旗を立てる、一つの答えを出すということ。芸大で培った経験を活かし、アート思考に近い、「意味を問う」こと、「違いを作る」ということにフォーカスをして、今後は見た目のデザインだけでなく、経営の指針となるような存在を目指していきたいと思います。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次